オーストラリア南西部の地生ラン(1)

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2002年8月13日訂正

オーストラリア・パースにおいて第1回国際ラン科植物保護会議が、2001年9月24日から9月29日までの5日間にわたり開催されました。会議の後、現地のラン研究者 Andrew Brown博士の案内で行われたパース周辺の地生ラン見学ツアーに参加しました。ハンマーオーキッドとして知られるドラカエア グリプトドン(Drakaea glyptodon。次の写真)をはじめ、太陽光線があたっている時だけ開花するサンオーキッド(テリミトラ クリニタ・Thelymitra crinita)など特殊な形態や性質のランを撮影してきました。

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オーストラリア南西部の地生ラン(1)
ドラカエア グリプトドン・ハンマーオーキッドと呼ばれ、黒いジバチが左側の濃紫褐色の唇弁をメスと思って抱きつくと、中央の蝶番部分から先が上に跳ね上がり、ハチは右の柱頭先端にある花粉を背中につけられる。
テリミトラ クリニタ、サンオーキッドと呼ばれ、太陽光線が当たり気温が高い時だけ開花する性質のラン。中央の黄色の部分が花粉塊であるが、粉状である。この属のランは全て同様の性質を持ち、花色は青の他に鮮黄色、白色、黄色と褐色のまだら状などの種もある。また唇弁の形が、花弁ほとんど違わない点も本属の特徴である。
エリスランテス ブルノニス(Elythranthes brunonis)、エナメルオーキッドと呼ばれ花弁とがく片は肉厚、表面はワックスがかかったような光沢がある目を瞠りたくなるようなラン。唇弁は小さく退化している。オーストラリアの地生ランのほとんどは、日のよく当たるユーカリ、ハケア等の常緑広葉樹林内の林床に自生する。山火事に遭って下草や、樹木の地上部が焼けた翌年の春に最も数多く開花し、林が混んでくると開花株が少なくなる。
バンクシア コクシネア’Banksia coccineaオーストラリアで最も美しいといわれるバンクシア。花の直径は8−10cm。樹高30cm位でも開花していたが、一般的には樹高は2−3mとなる。 オーストラリアの夏は乾燥するので、山火事が多く、植物は山火事に適応した植物が多い。特にバンクシア属の果実は非常に堅く、山火事で焼かれてはじめて割けて種子を地上に落とす。 バンクシア、ユーカリ、ハケアなど、樹木の花はこのような糸状花の集合花序タイプが多い。花の付け根には蜜が分泌され、小鳥もこの蜜をエサにしている種が多く、蜜をエサにする小鳥を総称してハニーイーターと呼んでいる。
カラデニア ファルカータ, caladenia falcata.最も種分化をしている属で、数十種が知られる。この種は乾燥した林床に生育し、花弁、がく片、唇弁が肉厚で下垂しないタイプの種。花弁、がく片が薄く、白色ないし濃赤色で下垂する種も多数ある。

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