地中海アルプスの地生ラン、イタリア編(1)

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2002年の世界ラン展のフォーラムにおいて「地中海の地生ラン」について講演いたしました。
1993年春に唐澤耕司氏とともにフランス国境に近いシープレッサ村を訪れた時に撮影したものです。音楽祭で有名なサンレモやモンテカルロ迄は、車で20-30分ですが、典型的な地中海沿岸の村です。国境地域は、アルプス山脈が地中海に落ち込むところで、石灰岩地帯です。

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地中海アルプスの地生ラン、イタリア編(1)
2.シープレッサ村遠景フランス領ニースから車で1時間ほどのイタリア領にある。外敵からの侵略に対し、防御しやすいように山の尾根沿いに形成された村。我々はこの村に住む、Karremans氏の家(築1200年以上)に泊めてもらった。
3.シープレッサ村、村内の通路村の中央にある教会の前だけに広場があり、そこまでは何とか車も入れるが、村内の通路のほとんどは写真のように極めて狭く、荷車の通行が精一杯。
4.Barlia robertianaの自生状況この地域では最も大型の地生ランで、大きなものでは高さ約1mに達する。花茎も基部では直径2cmに達するほど太い。花は3月には咲き始め5月初めまで咲き続ける。斜面に生育することが多い。
6.Arum maculataやや湿った草地に生育する。ミズバショウの仲間であるが、高さは20cm位の小型種。白色の部分は苞葉、中央の黄色のロウソク状のものが花の集まった肉穂花序
7.Borago officinaliナス科の植物だが、鮮やかなブルーの花が大変美しい。葉や茎の表面にはトゲ状の毛が密生している。花は直径約2.5cm。
8.Gladiolus italicusイタリア原産のグラジオラスの原種。この他にシクラメンも地中海沿岸の乾燥地を故郷とする園芸植物。園芸品種に比べ花は小さいが、清楚で飽きない。
10.Ophrys apiferaの自生状況開けた草地で、より大きな他の植物と混在する。群生することはなく、せいぜい2-3個体づつが点在する。石灰岩地で、表土は薄い。草丈20cm以下。
11、Orchis morio前種と混在、あるいはやや湿った草地に生育する。草丈20cm前後になるが、花数は10以下。唇弁の中裂片に斑点がある。
12.Ophrys holosericaapifera に非常によく似た種だが、唇弁の模様が異なる。両種が並んで生育していることもあった。草姿、草丈も殆ど同じ。
14.Ophrys sphegodes標高500m前後の開けた草地に点在していた。草丈30cm近くに達し、数花がつく。唇弁中央にあるメタリック ブルーの縦縞、両翼のこぶ状突起などが特徴である。花は変異に富む。
15.Ophrys bertlonii海岸に近い低地(100m)から700- 800mの山中にまで分布する。草丈20cm以下で、花数も少なく、せいぜい数花。唇弁中央のリング状の模様が特徴。
16.Ophrys sphegodes ssp. garganica. 14,15と同じ場所に点在していた。草姿や草丈は14と全く同じなので、全ての株をよくチェックしないと見落としてしまう。
18.スギナ(Equiassetum sp.)の一種日本のスギナとは比較にならないほど大きく、高さ20-30cmに達する。さぞかし食べでのある土筆がでるのだろう。
19.Orchis purpureaこの地域では最も大型となるOrchisで、高さ50-60cmに達する株も稀ではない。花は色、形ともに変異がある。送粉はコガネムシによる。
20.Orchis purpureaの生育状況Barlia同様、湿った肥沃な土地を好むようである。花序には20-40花が蜜に付く豪快な地生ランである。

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