エクアドルのラン(4)

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エクアドルのラン(4)
1.トマテ(トマト)トウモロコシやジャガイモと同様トマトも中南米原産。エクアドルでトマテと言えばこのトマトのこと。梨のようにちょうど手が届く高さで枝が横に拡がる。多年生。果実はスマートな紡錘形、干し柿にする柿にそっくり、味は日本のトマトとは全く異なり、濃厚だが美味しい。
2.ヤヌンカイ川クエンカ市内を流れるヤヌンカイ川に沿い、標高3500m位まで小さな林が残っている。かっては深い森に被われていたのだろうが、今ではほとんどが牧場である。川に張り出した樹幹は着生ラン、アナナス類、シダ・コケ類にびっしり被われている。
3.川沿いの道路ほとんどの樹木が伐採された為、岩肌が剥き出しとなった乾燥気味の崖。乾燥した環境を好むラン、Barbosella, Trichoceros、Pleurothallis,Oncidium, Odontoglossumなどが見られた。道路は当然舗装されていないので、埃っぽい。
4.トリコケロス属2種の自生状況3、のような場所をよく見るとあちこちにTrichoceros がある。この写真には、antenniferaとmuralisの2種が混生している。匍匐茎もバルブも岩上を這い、数少ない根の先端部だけが土の中にある。葉は小さく、肉厚で革質。
5.Trichoceros antennifera花の中心部、特にずい柱の周囲には細毛が密生している。見方によってはコウモリの顔にも似ている。中央から触角のように突き出ているのは唇弁の一部。花序は高さ10cm前後、3-5花生じる。
6.Trichoceros muralis花は前種よりやや大きく、直径2.5cm前後。中央のずい柱や唇弁は見れば見るほど昆虫の顔に似ている。近縁の属であるエクアドルシリーズ(1) No.11Telipogonが、葉やバルブが草質で柔らかく、暗くて湿度が高い環境に生育しているのと対照的である。
7.Cajophora sp.(科はLoasaceae)道路際などに生育するツル性の植物。茎、葉、花弁の表面にまで無色の細毛が疎らにある。馴染みのない科であるが、葉やツルだけ見ればウリ科のようであるが、花は壷型。何種かあるようだ。
8.Oreocalis grandifloraあちらこちらで頻繁に見かけた灌木。高さ2-3m、花序は直径15p位、筒状のクリーム色の花が密についている。多分花にはハチドリがやって来るのだろう。標高3000m近い場所にこのような植物が見られるのはさすがに赤道直下の地である。
9.Onc. nubigerum とEpid. sp.ヤヌンカイ川沿いの樹木には、オンシジウム、エピデンドラムなどのランのほかに、アナナス類がびっしりついている。ランの開花期に再び行くことが出来たら素晴らしい眺めとなるだろう。
10、Hoffmeisterella エクアドルシリーズ(1)で花だけを示したホフマイテレラの生育状況と草姿です。果実は青いままで熟し、先端3分の1が裂け、裂片は反曲する。ほとんどのランの果実では、熟しても途中の部分だけが裂け、先端はくっついているのが普通である。
11、Epidendrum sp.ヤヌンカイ川に沿った道路際の崖に生育していた。標高約3、100m、陽の良く当たるやや乾燥気味の場所で見た。草丈は30cm位、葉は肉質。
12.。 Fuchsia sp.フクシアは、日本でも比較的よく知られる園芸植物であるが、原産地はアンデスである。種数はかなり多いようで、私が見たものはいずれも高さ2-3mに達する灌木であった。この花は長さ4p前後、表面はロウ質であった。標高2,800m付近で見た。
13.何でしょうか.標高3,200m付近で見た。現地で撮影した時には、フクシアであると言われ、素直に信じていたのだが、よく見ると全く別、しかも離弁花の属である。萼片の表面だけでなく、葉の表面にも白毛が密生している。優しい色合いの花であった。
14.何科でしょうか?恐らくゴマノハグサ科でしょうが、全く自信がありません。花は小さいが、あまりに美しい青色だったので撮影した。花弁も肉厚、背萼片の先端には微笑突起が密生している。この色で花が大きかったら誰もが目を見張るだろう。しかし、小さいところがにくい。
15. Epidendrum sp.標高2900m付近、陽の良く当たる道路際の崖に生えていた。花の色に特徴がある。エピデンドラム属の花には、唇弁が上に位置するものが多いが何故なのだろう。唇弁が小さいので、重力の関係で下になる必然性が無いという理由だけではなさそうだ。
16.ワシ南米アンデスで有名なのはコンドルである。濃霧の3,800m付近を車で下っていた時、道路から10m位離れた岩の上に鷲がいた。全長は60cm近くあったようだ。最後の一枚であった為、一部が黒くなってしまった。チレス山頂上付近(約4,000m)では、ゆったりと空を舞うコンドルを見たが、残念ながら撮影できなかった。

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